アメリカ、ハーパー誌の通信員として日本到着時のハーン(同行した挿絵画家ウェルドンのスケッチから)
今日はラフカディオ ハーン(小泉八雲)の命日だ。116年前、1895年9月26日、新宿区大久保で54歳の一生を終えた。雑司ヶ谷霊園に祀られている。
生誕の地ギリシャ、レフカダ島を振り出しに父の故郷アイルランド、移民として渡りジャーナリストとしての地位を確立したアメリカ、汚染されていない世界を求めての来日。10冊の貴重な記録を残し、子孫も残した。ハーンの人生の旅は二度と同じ場所には戻らない一筆書きの線を描く。
しかし子息の教育のこともあり、アメリカには戻りたかったようだ。彼が亡くなった時、彼の最後の著作「日本 一つの解明 (Japan: An Attempt at Interpretation)」はアメリカで印刷中で、もし命あらばこの本の内容をアメリカの大学で講義する予定だった。長男の一雄を伴っての渡米は過去を振り返る旅にもなるはずだった。
さぞ、心残りだったことだろう。
しかし、彼の子孫は日本に今でも存在し、彼の日本についての珠玉の10冊は色あせない日本人の資産となっている。
ラフカディオ ハーン、小泉八雲の冥福を心から祈る。
ハーンと妻セツ、熊本時代のポートレート