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書籍

沖縄より愛をこめて
     ~戦場からの手紙~


 父、豊田栄次郎と母、敏子が結婚したのは、太平洋戦争も終わりに近い、昭和十九年一月のことでした。すでにシンガポールで足を負傷していた父が二度出征することはないはずでしたが、戦争が熾烈さを加える中半年にして再び召集され、沖縄に向かうことになりました。
 そのような緊迫した状況の下にも関わらず父は、はるか東京に住む新妻に戦地と化す前の沖縄の生活を軽やかなタッチで描き送り、そしてまた妻を、子を、そして国を守ろうとする覚悟のほどを淡々とそして愛を込めて綴っています。
 この本には、甲府からの第一信から翌年三月十一日付けの最後の手紙、そして母へ当てたもの一通を収録してあります。

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