新型コロナのおかげで働き方についてはいろいろな影響が出ているようだけれど、テレワークが話題になっている。
僕は時々新書の無駄遣いをするのだけれど割合と賛同するのが(もちろん面識は無いけれど)経済アナリスト森永卓郎氏だ。
森永氏の近著「年収200万円でも楽しく暮らせます。コロナ恐慌を生き抜く経済学」と言う本を読んでいたら、「働き方テレワークはどうなるか」と言う項目があって、彼は今回のコロナが日本社会にプラスの影響を与えたテレワークの普及についてコメントしていた。
まぁ、僕のように定年退職の年金生活者には直接何の関係もないことだけれどテレワークには確かにメリットがある。家賃の高い都心に住む必要はない。好きな田舎に住んでストレスフリーな日々が送れるというわけだ。
ところで、テレワーク関連で最近急に脚光を浴びているのがZoomというアプリを使った遠隔会議だ。森永氏はこの本の中であるテレビ番組に彼が出演したときのことについて書いている。少し引用すると。
「以前、ある番組に出演したときのことです。新型コロナウィルスの影響で出演者4人が別々の会議室に入り、 Zoomというアプリを使って収録を進めました。 」
この中で森永氏は1時間半ほどの番組の中でこれまで味わったことのないストレスを感じたと言っている。
「一 つは音声が頻繁に切れることです。そのため相手が何を言っているか正確に把握できず、 円滑な討論ができませんでした。 もう一 つはディレイ(遅れ)の発生です。 回線状況が原因なのかわかりませんが、 ディレイによって微妙な会話のズレが生じました。」
討論も同じで、
「 討論している時に0.1秒のディレィが議論を著しく低調なものにします。 話芸は話していない部分を含めての芸です。 微妙な間を求められるような類の仕事には、 十分に対応しきれていないのかもしれません。」
なるほどごもっともと思った。そこで思い出した。以前少し書いたが、数年間NHKの海外向けテレビの先駆けともなったアメリカABC送りの5分間のビジネス番組のキャスターをやっていた時、ニューヨークのキャスターが僕を紹介してくれた後、何か一言こちらに投げてくるのだけれど、そこに時差による間があって相手の言ったことが一瞬わからないことが多々あった。森永氏の言うところのディレイと全く同じ現象で、この場合の理由は単純明快時差なのだけれど、やはりこれは著しくコミニケーションを損ね、せっかく先方が面白おかしく紹介してくれてもその内容がつかめないことには的確な返答はできない。
ましてや全てが英語なのだ。これにはまいった。