第25回:英語の学習はやっぱりラジオ 。

英語の学習には やっぱりラジオが一番だ という人がいる。 実は僕もそう思う。

 今朝は久しぶりにBBC World Serviceのラジオ番組を聴いたが、やはり得るものが大きいと感じた。毎正時と30分にニュース、5分間でヘッドラインが分かり、その後約30分のラジオ番組が聴ける。この日はアメリカ西部開拓時代の話だった。カリフォルニアの人口が1849年のサンフランシスコのGold Rush(ゴールドラッシュ:金採掘場への殺到)をきっかけに増加し、急遽奴隷を保持しない州として合衆国に加入したが、奴隷保持州と非奴隷保持州のバランスを崩した事が南北戦争開戦の直接原因の一つになったなどという非常に興味深い内容の番組だった。確かに映像はないがラジオ放送の利点は世界に散らばる専門家の話をいとも簡単に聴くことができることだ。

 もちろん 最近はずいぶん便利になってきてケーブルテレビに加入さえすればイギリスのBBC放送やアメリカのCNNが簡単に見られる。またNHKの衛星放送を見ればBBC放送の他にアメリカABC放送やPBS(Public Broadcasting Service)の放送などを 日本語同時通訳付きで 見ることさえできる。もちろん全く英語が分からない人間にとってはとてもいいことなのだけれど、一方で 英語学習にはそれほど素晴らしい事でもないように思う。なぜならば、人間 映像が見えると本当に聴き取れていなくても聞き取れているつもりになってしまうことがあるからだ。これは怖い。

 一昔前(1970年代だっただろうか)国際放送がテレビになる前、外国の放送が本当に聞きたい人は短波受信機を手に入れてラジオの短波国際放送を聴いていた。 海外の放送局もひと頃日本向けに日本語放送を実施していた。トップはイギリスB B C放送で以前書いたと思うが、大先輩の水庭さんを初めざっと10人くらいのNHK英語班の人間がB B Cの国際放送で日本語の放送を行なっていたことがある。これは日本語の放送だが、英語放送もなかなか充実していた。わがRadio Japanもその一つだった。その他に当時皆がよく聞いた放送にはV O A(Voice of America)アメリカの声放送がある。VOAには英語を母語としない人達に向けてSpecial Englishという特別の放送も行っていた。何が特別かというとVOAのSpecial Englishによる放送はニュースも番組も特別にゆっくりの放送で、さらに語彙も特別に制限されていた。当時VOAに手紙を書くと、この語彙表を送ってくれた。これはSpecial English Word Bookと言った。なかなか送ってくれないので、ある時からワードブックは国内で有料で販売されるようになった。僕は無料版と有料版と両方持っているが、日本で出版された方には日本語の解説がついていることを除けば、両方全く同じだった。Special Englishについてはまた。

 先ほど久しぶりにBBC World Radioを聴いたと言ったが、短波経由ではない。iPhoneのアプリの中には(有料だが)BBC World Radioを含む多数の放送が聞ける素晴らしいソフトがあっていながらにして世界の英語そして英語以外の放送が聞ける。Tune in Radioは有料で少々高い気もするが、昔の雑音まじりの短波放送を聞いた人間には夢のようだ。他に僕は文字の記事も含めて色々なアップを入れていてその中にはBBC News、 NPR、 PBS News Hour, ABC News, そしてさらにはVOA Special English放送専用のアップもある。

英語学習はラジオに限る。ただし今やインターネット経由だが。

詳しくはまた。

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