第7回:英語アナウンサーの国際交流

 前回外国人アナウンサーの話を少ししたが、英語アナウンス班には当然ながら外国人のアナウンサーが複数存在した。

前回お話したルイス・ブッシュ(Lewis Bush)さんはラジオ第二放送で英語ニュースを読んでいて、机も英語アナウンス班に置いてあったが、海外向けの放送のアナウンスはしない例外的存在だった。

当時英語アナウンス班所属の外国人英語アナウンサーには主に二つの流れがあった。

一つはイギリスBBC放送日本語放送部との交流。NHKの英語アナウンサーがBBCワールドサービス、つまり英国短波国際放送日本語部のアナウンサーとして日本向けに日本語の放送を行い、一方BBCの職員(必ずしもアナウンサーでは無かった)がラジオジャパンに来て英国を中心に短波の放送を行う。このような交流は一対一であったからエックスチェンジ(exchange)と呼ぶのにふさわしい交流だった。

次にオーストラリアのABC放送とNHKの短波放送要員との交流があった。オーストラリア各地のABCmmnkiアナウンサーが日本に来て英語アナウンスに「籍」を置き、ラジオジャパンの英語アナウンサーとして放送を行なう一方日本からもアナウンサーがオーストラリアABCの日本向けの短波放送でアナウンスを行った。

残念ながらこの交流はNHKとABCの間では一対一の交流だったが、職場と職場の人の交流としてはやや歪で、ABCのアナウンサーは確かに英語アナウンス班の一員として英語放送を行なったが、英語アナウンスからオースオラリアへ派遣されたものは無かった。派遣されたのは国内のNHKのアナウンサーだった。

日本から英国に行ったものは3年間の間英国を知り英語の知識向上を図れる。イギリスから日本に派遣されたイギリス人も同じく日本をよりよく知ることができる。日本NHK側から初めて英国に赴いたのは英語アナウンスの達人としてご紹介して来た水庭進だった。その後NHKサイドからは2名の英語アナウンサーがイギリスへ派遣され、僕が英語アナウンスのメンバーになった時点では3人(水庭進、矢口堅三、川田政 甫)が既に派遣され、この時は原二郎が派遣中だった。この4人のうちご存命なのは矢口堅三のみである。

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