第18回:英語の発音、日本語の発音

 英語のアナウンスは明瞭である事が必要だ。ただし、以前どこかで少し書いたが、英語の明瞭と日本語の明瞭とは少し違う。日本語の場合は明瞭とか滑舌が良いとか言うのは基本的にはすべてのシラブル(音節)をはっきり発音するということだ。後は、標準語の場合と地方とでは若干発音が違うけれど、ピッチアクセントつまり音の高い低いがある。この辺は日本語の発音の肝心なところだ。

もう一つ言うと日本語を発音する上では口の前の方はあまり大事ではない。その証に口を閉じていても(口をすぼめた状態でも)かなりはっきりと日本語は発音できる、腹話術のように。

一方、英語の発音で肝心なのは強弱のアクセントだ。1つの単語の中のおおむね1カ所、時に二ヶ所に、強いアクセントが乗っている場所があり、アクセントが乗っているシラブルは、はっきりと発音しなければならない。しかし、それ以外のシラブルはそれほどはっきり発音する必要はない。この辺は少し書いた記憶がある。

一方ではっきり発音しなくて良い部分のシラブルについてはあいまい母音と言うのが登場する。この場合、綴りのスペルとは全く関係がない。この辺も以前も書いたけれど、日本人はこの様な音をローマ字読みにしてしまうことも、ことを困難にしていると思う。

アクセントの載った部分に関しては英語には日本語にない音があり、口の前の方に関しては例えば前歯の裏側に舌を当てたり、さらには唇をすぼめたり広げたりすることによって音を作る練習が必要だ。このためには唇周辺の運動なども役に立つし、英語のアナウンスをしたい人はこの様な訓練しなければならない。まさに「継続は力なり」だ。

ところで、この関連で役に立つのは朗読だと思う。毎日のように何でも良いけれど、例えば英字新聞を広げてコラムをひとつ、3 、4分だろうか(仮に1分でも良い)しっかりと大きな声を出して読む、こう言う作業はかなり大事だ。しかし、少し気になる事は、モデルリーディングがないと間違った発音が頭にインプットされてしまう事。これは良くない。

ではどういう風にモデルリーディングを手に入れるか。これはすでに放送されたラジオの英語のニュースとか番組、それも自分に合ったレベルのニュースや番組を録音して真似るのが良いと思う。それほど複雑なことではない。より実践的に事を運びたければ、例えばiPhoneでBBCなどの放送のサイトを参照し、そこに出ている記事を見ながら、BBC放送の音声を聞くと言う事(それも先に書きとった後で放送記事を見て訂正していくと言ったやり方。

そして次にはニュースを書き取るのがなかなか良い訓練だと思う。後正解と比較してこの辺で正解が確認できるのが良いので、例えば英字新聞の記事を参照して放送に出た英語と比較するなど。

もっと簡単な方法がある。それは昔短波で放送され今でも放送されている、アメリカの声放送、Voice of America のspecial English (特別にゆっくりの放送)をインターネットで聞き、上で書いた様に、書き取った後で読むと言うやり方だ。

もし可能であればネイティブとまでは言わないけれど、誰か元の英語の発音とその正確な読みを比較し直してくれる人がいればより良い。エクササイズとしては書きとった英語を音声と比較してどこが間違ってたのか確認する作業などが良いと思える。全体の意味は何だったか、最近のBBC放送のアップには日本語の記事も載っているので、そちらを見るのも手だろう。これは単に話すような、英会話、ではなくて英語そのものの聞き取りと発音の役に立つと思う。

(1451文字)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です